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日々書き連ねた妄想をさらすとこ。
必ず初めに諸注意をお読み下さい(でないとわけがわからないと思われます)
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枢木スザ子の憂鬱(仮) 19
ラスト!

変態シーンをもっと取ろうと思ってたんですけど、なんだか短くなってしまいました。
んー
必要だったんだろうかリート先生(をい
というか最後駆け足ですすいません!

色々と説明不足なところもあるのですが(主にミレイさんとかミレイさんとかミレイさんとか堕天使とか)、例によって例のごとくのおまけでそちらについての話を書こうと思いましたので、あえて本編では省略いたしました。
だってスザルルが幸せになれば他はどうだっていいじゃない!(おい)がコンセプトです。


全編通して一つでも笑える箇所があれば大成功なのですが……。


 大きな物が壊れるようなその音にびくりと反射的に身をすくませたと思えば、ふいに身体の圧迫が消えた。
 えっと思う間もなく、再び何かがぶつかる音と崩れる音がルルーシュを襲い、かと思えば次に続いたのは悲鳴だった。





「なに…………がっ、は」


 がんっと金属音がした。



「何する? それはこっちの台詞だ」



 怒気を大量に孕んだその声。
 なんだと焦って身をおこしたルルーシュは、そこに思わぬ姿を認めて声を失った。











 今の今まで己を窮地においやっていた人間が、今度は反対に床に転がされ顔を靴で踏まれて鼻血を流す様子は爽快感よりも先に当惑がたった。




「先輩、大丈夫……じゃないですよね」



 そんな、現状をつくった張本人は、ディートハルト・リートの腹に踵を埋め込んで、意識を失ったことを確認すると、彼を見下ろしていた冷たい目を一転させて、心配げにルルーシュを覗き込む。
 


「ジ…………ノ」



 茫然としたルルーシュの唇から己の名前がこぼれおちると、背の高い後輩の顔がくしゃりとゆがんだ。



「あっちの渡り廊下から先輩がディートハルト先生に連れ込まれるのが見えた時は本当に血の気が引いたというか、頭に血が上ったというか」




 そして床に座り込んだままだったルルーシュをぎゅっと抱きしめる。
 よかったと身を包む体温に、けれどルルーシュは、違う、と思った。



 その衝動にまかせた行為は彼の純粋な安堵を何より示すものであり、ルルーシュへの害意はもちろんのこと邪な気持ちなど一切入ったものではなかった。
 にも関わらず、ルルーシュの身体は無意識に硬直した。



「あ……」



 ルルーシュのそれよりも高い体温。
 広い胸板に、すっぽりと包んでしまえる長い腕。
 なによりその匂い。
 違う。
 これじゃない。
 これじゃだめだ。


 何かが命じるままにルルーシュはジノの胸を突き放すように押した。


「先輩?」


 ルルーシュのその拒絶にジノが困惑した目を向けるが、ルルーシュはそれに対する答えを持たなかった。
 助けて貰っておいてこの態度。
 ジノが気分を害してもおかしくない。

 けれど今は、彼にさえ触れられるということが耐えられなかった。
 肩に置かれた手は、力も入ってないのに酷く重たい気がして、身をよじる。


 理由などよくわからない。
 何が自分を駆り立てるのかも。
 自分のことが一番、わからない。

 でも違う。
 嫌だ。
 何かがそう叫ぶ。



「でもよかった。間に合ったとは言えないけど、まだ未遂で」

「ひっ」




 何かを言おうとして、けれど悲鳴のようなひきつった声しかでなかった。



 それは冷静に考えれば無理のない反応と言えたのかもしれないが――思いやりが足りないとカレンあたりなら蹴りの一つでもいれただろう。



「先輩? どうしたんですか?」



 助けた彼にしてみれば予想外の反応だったに違いない。
 あわててルルーシュの顔を覗き込むが、ルルーシュが思ったことはといえば変わらず、この男は違う、とそれだけだ。


 この青は違う。
 だから。



 逃げなくては。




 脳が命じるままにジノを突き飛ばした。







 教室から尋常でない様子で飛び出してきた姿にその場にいた生徒が驚いて足をとめたが、それも目に入らずルルーシュは走った。
 止まったら後ろから追いかけてくる気がして。




 あの手が、追いかけてくる。
 肌をはう硬い感触が。


 捕まったらおしまいだ。
 逃げなくては。
 安全なところへ。


 スザクの。
 スザクのところへ。




「先輩!」


 追いかけてくる。
 手が。
 声が。




 しかしながらいくらスタートが遅れたと言っても、ルルーシュとジノでは運動能力が違いすぎる。
 幾分もいかないうちに捕まった。

 手首をとられて悪寒が走る。

 いやだ。
 これは嫌だ。
 スザクじゃないなら全部嫌だ。


 すぐに腕をふりほどこうと手をがむしゃらに振るが、ジノは決して放さなかった。



「先輩。落ち着いてください」



 ルルーシュがまともにジノを認識するまで辛抱強く先輩と繰り返した。
 そのジノの瞳が真摯だったから、ルルーシュも少し、頭が冷えたように思う。
 絶対に離れないのだとわかって、抵抗をやめると少しずつ思考が戻ってくる。

 

「ジノ、離してくれ。行かなきゃならないところがある」



 もっとも、結論に変わりはなかったが。


 まっすぐにジノを見つめて、言葉には迷いがない。
 何も知らないものがみれば、ルルーシュは冷静なのだと判断するだろうほどに。

 ジノはそんなルルーシュをしばしあーだのうーだの唸っていたが、やがておもむろに一度ゆっくりと息をついた。






「そんなに焦らなくてもスザクは逃げませんよ」



 溜息のような、またはどこか苦笑しているようにも聞こえた言葉にルルーシュは目を見張る。





「…………なん、だと?」
「あれ? 違いました? ああいや、これは当だな」


 かまを掛けられたのか。
 だとすれば簡単に悟られた己が多少不愉快だが、それよりも一人で納得する後輩の意図がわからない。

 ふっとジノが笑った。



「ルルーシュ」


 先輩、ではなく名前で呼んだジノは今まで見たことのない真剣な目をしていた。
 口元は笑っているくせに目は少しも笑っていない。
 その焦がすような強い視線に身体に手が震える。





「それは、私じゃ、駄目か?」


 決して責めている声色ではなかった。


「私じゃ駄目か? ルルーシュ」
「な、にが」
「私がルルーシュのことを好きだと言ったら、ルルーシュはどうする?」
「駄目だ!」


 駄目――それは全く答えとならない。
 意味の通らない言葉は、反射的に口をついたものだった。



「駄目?」
「あ、や、その………困る」
「何故」



 どこまでも真っ直ぐな言葉にルルーシュはつまる。
 違うからだ、と言ってもおそらく通じまい。
 自分でもよくわかっていない答が、ジノに通じるはずがない。
 それに、彼ははっきりとした言葉を求めていた。



「…………」


 視線が迷う。
 ジノの顔が見れない。


「私はルルーシュが好きだ」
「俺は………」


 沈黙が落ちた。
 頭の上でジノのため息がこぼれた。


「振られるなら振られるで、ちゃんとした言葉が欲しい、ルルーシュ。もし振るだけの理由がないのなら、試しに付き合ってみないか?」



「好きな奴がいる」



 自分でもまあかこんなに心とらわれているだなんて思わなかったけれど。
 夢中で助けを呼んで、求めて。
 彼のことだけ考えて。
 これで好きじゃなかったらなんだっていうのだ。
 そのことに今更気づくなんて、こうなるまで気づかないだなんて、本物の馬鹿だとしか言いようがないけれど。少なくとも夢の中の自分はもう少し早く気づいてた。
 知らなかったのは、この気持ちにつける名前だけ。



 好きなのだ、誰よりも。
 そう思ってしまったものはもう仕方ない。
 それだけが真実で、何が悪い。




 まさか己がそんな感情に振り回される日がくるとは思わなかったから、少しおかしい。




「そいつは先輩の危機に気付きもしないのに?」



 理不尽な言い様だ。
 だがルルーシュはそうだなと言って笑ってみせた。
 理不尽だけれども、主張してやりたくなって。

 だって守るよと白の騎士は言ったではないか。
 ここでルルーシュの危機にかけつける正義のヒーローになれるような器用さがあったなら、もっと簡単にころっといっただろうに。
でも、いいのだ。



「守ってくれるから好きになったわけじゃないさ」



 色眼鏡をかけず、自分で考えて出した答えだからこそきっと価値がある。



「じゃあどこが?」


 スザクがスザクであるところ。
 流石にそんなこと言えたものではない。
 答える変わりにルルーシュは立ち上がった。








「先輩はそんなにスザクのことが好きですか?」


「好きだよ」


 もう答えに迷いはなかった。

























 いきおいよく飛び込んできたそれが何なのか、捉えることは特に難しいことではなかった。
 反射神経にも動体視力にも自信があるが、そういうことではなく、そもそもスザクがルルーシュを見間違えるはずがないではないか。

 例え確認する間もなく、振り返ると同時に飛び込んでこられても――そう、確かにルルーシュは部屋に飛び込むように入ってきたが、重要なのはスザクの胸に飛び込んできたということだ。
 ちょっと、どころでなく信じられない。いやまあ、胸に飛び込んできたとかいうロマンチックな表現よりは、勢い余ってぶつかったといった方が近い気もするがそこは大した違いではない、と思う。何事もポジティブがモットーだ。



「スザク!」



 とにかくスザクはその飛び込んできたルルーシュを、瞬時に判断して危なげなく抱きとめた。



「ルルーシュ?」



 ふわりと香るこれは、ルルーシュの匂いだ。
 もっとも、堪能している場合ではないことぐらいはいくらスザクだってわかる。


「スザク!」


 たとえ胸倉をつかまれてもルルーシュなんだから逆上なんかしやしない。


「どうしたの?」


 なるべく穏便に問いかける。

 出て行って帰ってくるまでの短い時間に一体何があったのだろう。
 少なくともスザクはルルーシュに怒られるようなことは特別していない――スザクもスザ子もどっちも嫌だって言うなら、泣く。
 ジノを迎えにいったはずなのに、その姿は見えないし。


 それにしても。




「えーとルルーシュ? 大丈夫?」




 こんな時でもああ、スザ子なら大丈夫なんだとすぐそこに思考がいってしまう己が情けない。




「問題ない」


 そうは見えない。




「うそ。髪が乱れてるもの。何があったの? ルルーシュ」


 穏やかに。
 静かに。
 おびえさせないように。
 この間は失敗してしまったから。

 そっと髪をとって、拒絶されないことにだけ安堵する。



 スザクには許されない距離。
 スザ子にだけ許された距離。
 背中に手を回したのに下心がないなんて嘘は言えない。


「大したことじゃない。それよりもそれをやめろ、スザク」
「それ?」
「その口調だ。ああそれからこの服も」





 お前男だろ。



 ルルーシュの口から出てきた言葉にスザクは瞠目した。

 男だ。
 その通りだ。
 染色体はXY。
 第二次成長だって無事に終えて。
 無理やりだす高めの声はそりゃ気持ち悪いかもしれない。
 ひらひらしたスカートの下にはあっちゃいけないものがあるし。
 手だって足だって、女の子のルルーシュと全然違う。
 大きくて、骨ばってて。
 可愛さなんか欠片もなくて。



「でも」



 でもそれだとルルーシュは逃げるじゃないか。 
 少しでも近くにいたいんだ。
 そう思うことすら許してくれないのか。
 最初に嘘をついてしまったから、ずっと許されないのか。



「でももだってもない」
「ルルー……」
「スザクもスザ子もどっちもスザクだろ」
「シュ?」


 そう言い放ったルルーシュの目は完全に据わっていた。迫力にちょっと詰まる。
 言ってることはその通りだが、それを区別していたのはルルーシュの方ではなかったのか。しかもそれはほんの十数分前の話だ。

 何かあった。
 のは確実として。
 問題は何があったのかだ。
 残念ながらまったく想像がつかない。




「スザク!」



 胸ぐらを捕まれたまま引き寄せられて、ルルーシュとの距離がぐっと近くなった。
 ルルーシュのどアップはうれしくないといえば嘘になるけれども鬼気迫るそれに若干及び腰になるのは仕方ない。
 耳が痛い。
 人目も痛い。



「俺はお前がいいんだ!」


 怒鳴るような告白。

 しかしながらあまりに唐突すぎたことと、ルルーシュにしては珍しくも修飾語が一切なかったことでスザクは意味をとらえかねた。


「えっと………」


 正しい返事はありがとうで良いのだろうか。
 いやだがしかし、適当なことを言って罠にはめられてしまう可能性がある以上それは危ない気もする。


「だからルルーシュ、何の話?」


 熱烈な告白に水をさすような切り返しは正直気が引けたのだがどうしようもない。



「だから、お前よりも絶対俺の方がお前ことが好きだって話だ」
「へ?」
「俺は逃げ道を用意してやろうとしたんだ。それを潰したのはお前だってことを、いいか、忘れるなよ」



 それはたぶん……婚約の話なんだろう…………たぶん。








「おくれましたー」


 能天気な声が緊迫した雰囲気をぶち壊した。
 ジノだ。
 迎えに行った当の人物の登場にザクの表情は引きつった。

 まさか。
 まさかとは思うがジノと何かあったのだろうか。
 迫られたとか無理矢理キスでもされたとか。
 想像したら殺意がわいた。
 コンクリート詰めで東京湾に沈めるのと指を一本一本折ってやるのとどっちがすっきりするだろうか。




「ちょっとジノ、どうなってるのこれ」



 その場の全員を代表したセリフを会長がジノに向けるが、ジノはへらりと笑って手を合わせた。




「ごめんカレン」



 だから何がだ。
 それは何の話だ。




「余所見をするなスザク」


 くっと引っ張られて軽く首が絞まった。
 完全に頭に血が上っていらっしゃる。
 興奮で頬に赤みがさしたルルーシュに見つめられ迫られるなんて珍しくまたある意味おいしい状況だが、色っぽいなあなどと堪能している場合ではないようだ。


「う、うん?」
「お前も男ならしっかり責任とってもらおうか。婚約なんてまどろっこしい。婚姻届に署名しろ」


 頭の中が真っ白になった。
 視界の片隅でシャーリーが資料をばらまきリヴァルが足の指を机にぶつけた。
 カレンが誰も注目していないことをいいことにジノの胸倉をつかみ上げてた――スザクはばっちり見た。



「えーっと」
「返事ははいかイエスだ馬鹿者」


 それは選択肢ではないのではないですかとか。


「五秒やる」


 それはないに等しいのではないですかとか。



「ぅえ、あ、え」



 五秒じゃそんなことは突っ込めない。
 正しい返事の仕方も考えている場合ではない。






「あ、と、不束者ですが宜しくお願いします?」



 完全に勢いに押される形でひねり出された言葉は色々なところが間違っていただろうが、そんなところを指摘するような心の余裕のあるものはこの場になく、ルルーシュはルルーシュで満足げに頷いたのだった。

 スザクからプロポーズをする機会が失われてしまったのは残念なことだけれど、ルルーシュのどこか悪そうな笑みを見たらどうでもよくなってしまった。

 ルルーシュが我に返る前に婚姻届を役所に提出して既成事実をつくってからゆっくり会長を問い詰めようと心に決めた。
 こんな状況だがジノを引き寄せたミレイが「よくやったわ」だとかそれにジノが「なんかもったいないことをした気分です」だとか、カレンが「騙しましたね会長」やら、ごちゃごちゃ言ってたのは聞こえてたんだ。覚悟しろ。


















以上で本編は終了でございます。
長らくお付き合いいただきまことにありがとうございました。
ご意見ご感想ご要望等等いただけると大変うれしく思います。
枢木スザ子の憂鬱はおまけを書きあげ次第novelページにまとめます。
これで!やっと!いただいた美麗絵を皆様にお見せできる!

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