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日々書き連ねた妄想をさらすとこ。
必ず初めに諸注意をお読み下さい(でないとわけがわからないと思われます)
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枢木スザ子の憂鬱(仮) 13

一度は紛失しました今回、と前回の原稿!
なんとか大みそかに家じゅうひっくり返してみつけました。
ああほんとに見つかってよかった。おかげで年越しどころじゃなかったけれども!
一度書いたものが消えるというのは物書きにとって世界が崩れるぐらい恐ろしいことです。
二度と同じものは書けないし。
いや書きなおせばもう少しましなものが出来るやもしれないけど!でも!
やーもー何を書いたのかすら思い出せなくてほんっとあせりました。
見つかってよかった。本当によかった(大事なことなので3回言いました)




  最近スザクが少し変わった。




 どこが変わったかといえば、別段自分一人がわかるだとか、内面的な変化だとかいうわけではなく、誰の目にも明らかに、制服が女子のものから男子のものになったという話だ。
 そう書くと随分と大きな変化だと言うべきなのかもしれないが、あくまで少しとしたのは、どんな格好をしようと中身はやはりスザクはスザクでしかなかったからだ。
 それに気づくまでには自分自身のことを棚に上げ、ひどく動揺したものだ。


 覚えている。
 あれは祭の翌日だった。



 いつものように生徒会室へ行けば、もう皆集まっており、ルルーシュが最後の一人だった。
 ルルーシュを入れて8人。

 間違いない。
 生徒会長のミレイに始まり、リヴァルにシャーリー、カレン、ニーナにジノ、それからルルーシュで、残りが……………………スザク。


 スザク。
 スザクだ。
 短い天然パーマの茶髪、大きな新緑の瞳が童顔を際立たせ、ああルルーシュと嬉しそうに笑うその顔はまさしくスザクに違いない。
 こんな至近距離で見間違えるほどルルーシュの目は悪くないし、例え名目だけとはいえ婚約者の顔を見間違えるほどボケてもいない。


 ……………………はずだ。
 だがルルーシュは一瞬急性の眼疾患でも患っただろうかと目をこすった。


 上はいい。
 首から上は。
 だが下はどうだ。

 何故か、黒い。
 前日、否、前日は祭だったから前々日か。前々日までは淡黄色だったはずなのに。
 女子の制服だったはずなのに。
 黒は男子の制服のはずなのに。
 ルルーシュの婚約者は何を間違ったか女子のはず、なのに。




「え、スザ……ク?」
「何? ルルーシュ」




 まるでおかしいところなどどこにもありませんと言い張るような自然な口調だ。
 なんと言っていいのかわからなくなって言い淀む。

 まさかとは思うが、まさか祭で目覚めてしまったとでも言うのか。
 自分のことは盛大に棚に上げたルルーシュは困惑する。
 確かに騎士姫祭りの白の騎士服はスザクによく似合っていた。
 普段ぽやっとしている彼女がとても精悍に見えた。同性であるはずのルルーシュが一瞬見とれてしまうほど。
 だが、それで彼女の中の何かが変わってしまったというのならゆゆしき問題だ。



 ルルーシュは何かの余興かもしれないとまで考えた。
 だってほら見てみろ。
 他のメンバーは少しも動じていないのだ。
 普通女の友人がいきなり男の格好をしてきて無反応というのは考えにくい。
 髪型一つ変わっただけで色々と言われることの方が多いのだ。
 ミレイの思いつき、罰ゲームといった可能性が最も高いのではなかろうか。
 あるいは、悪趣味だがルルーシュの反応を見ているのか。
 となると、当然、大仰な反応を期待されているはずだ。思い通りになるのはなんだか癪だ。


 しかし気になる。
 これをやっているのがリヴァルであれば当然を装って華麗にシカトしてやるところなのだが。
 何分、婚約者なのだ。
 一応確かめておかなければ己の明日にかかわる。


 仕方なくルルーシュはためらいがちに口を開いた。




「スザク。その格好は、どうしたんだ?」
「あ、これ? うん。もう嘘つくのはやめようと思って」





 さわやかにさらりと返された言葉の意味を必死で考える。

 うん、ってなんだ。
 それはルルーシュのどうした?という開放型質問の答えとしては不適格だ。
 イエスorノーで尋ねられた場合の答えだ。
 言葉は正しく使え。

 いやそこじゃなかった。
 スザクは嘘をつくのをやめると言った。
 それはつまり今まで嘘をついていたということだ。
 また、これからは素直に生きていくという意味になる。
 つまりそれは、今現在の姿ことそが己の自然体なのだという主張であり、嘘をつくの誰にという就職後はルルーシュまたは世間である可能性と、自分自身である可能性、あるいはその両方である可能性が考えられる。
 
 自分に素直になった姿が男装とはそれはまた――いや、これこそルルーシュに否定する資格はない。もっともルルーシュは本質まで男になった覚えはないが。
 確かに婚約者がと考えると複雑な心持ちになることはなるが、ルルーシュ自身は前時代的な差別意識を持っているわけじゃない。
 とすれば笑顔で受け入れてやらなくてどうするのだ。
 だって友達ではないか。



「会長さんも許可してくれたし」

 うれしそうにスザクが言った。
 それはそうだろうと思う。
 何よりルルーシュの例がある。
 否とは言えまい。


「ごめんね、ルルーシュ」



 申し訳なさそうに続いたスザクの言葉に、ルルーシュは、ああ自分はふられたのだと理解、いや、受け入れるのに何故だかとても時間がかかった。


 何だろう。
 とても変な感じだ。



 親の横暴によって始まった関係。
 何を土地狂ったか、同性をあてがわれて激しい頭痛に襲われたのがファーストコンタクト。
 まともに成立しないようにと男装のまま出向いたのが裏目にでた。相手方にとっては問題なく異性に見えるだろうに、真実は同性だというなんとも面倒な誤解を生んでしまったのは半分はルルーシュの責任だ――残りの半分は母にある。

 誤解をとこうと――誤解というより詐欺かもしれないが――試みたが、避けられた。
 色々理由も考えたのだが、総合的に、受け入れられない婚約かれこそ逃げていたのだろうと推測する。
 もしかするとその間に何らかの手を打ったのかもしれないが、どうにもならなかったのは現状より明らかである。
 言っては悪いが枢木の言えに比べブリタニアの権力はあまりに強大だ。
 あきらめたのか、策を変えたのか、歩み寄ってくれた彼女とすごす時間が心地よかった。

 何をしているのだと何度も己に問いかけた。
 彼女に近づいたのは、性別をあかして婚約を穏便に解消するためであって、決して仲を深めるためなどではないというのに。
 近づけば近づくほど、嘘が長引けば長引くほど、互いに与える傷は大きく、膿むだろうに初めてできた友達という存在に愚かしくも心は躍り、終焉を恐れた。
 傷つくのがおそろしく、拒絶と嫌悪におびえ、今度はルルーシュが逃げ出したのだ。

 そんな不自然な関係がゆがみを生んでしまうのは至極当然の結果といえる。
 もともとの性癖だとスザクは言ったが、ルルーシュがそこまで追いつめてしまったというのが真実なのではないだろうか。
 事実は多少異なるが、社会的問題と生物学的問題を含め、同性と婚約関係を継続することはできないだろうとスザクがが考えての行動とすれば納得もいく。

 だって不自然ではないか。

 本来の性癖がどうとかはひとまず置いておくとしても、一昨日までまるで普通だったのに、いきなり。
 例え本来の性癖だたとして、今の今まで隠してきたのなら、自分をさらけだすことへのリスクを知っているはずだ。
 受け入れられるもし大半だったそていも、受け入れられない人が存在するというだけで社会的に不利になる。



 全てはルルーシュの責任だ。


 自分のことしか考えず、とんでもない結果を招いてしまった。
 それこそさっさと明かしていれば、多少の混乱は招いたかもしれないけれども、スザクのことだ、きっとルルーシュを拒絶したりはしなかっただろうに。
 どうして二の足を踏んでしまったのだろう。


 こうなってしまえばルルーシュがなさねばならないことは1つ。
 早急に婚約の解消を。

 笑ってしまう。

 何が早急にだ。
 それが当初に目的だったではないか。
 ただ、今まではそれにスザクを巻き込もうとしていたわけだが、もうそんな手は使えない。
 使ってはならない
 あんな格好をして、婚約解消を申し入れれば勘当ものの大騒動になりかねない。
 スザクにそんな傷をつけるわけにはいかない。


 そう、方法がないわけではないのだ。


 たとえばあの父に頭を下げてもいい。
 それで全てがうまくゆくのなら。
 それで少しでも償いになるのなら。





 なんて。

 言ってはみたものの、やはり綺麗事じみた言い訳はどこか薄っぺらい。



 違うだろう?と自嘲する。


 逃げたいのだろう?と。


 罪悪感と後ろめたさから。
 このままでは踏み込んではならないところまで踏み込んでしまうのではにないかという恐れと、背徳感から。


 スザクには禁欲的な詰襟がよく似合う。
 気づけば目で追って、見とれるように見つめている自分の本質は女だ。
 とんなに服装で隠そうが、どんなに口調を変えようが、にじみ出る浅はかな女の性。



「僕に顔に何かついてる?」

 と、そう言って小首を傾げられようやく己の所業に気付いた時は首をくくって死にたくなった。



 何ということだ。
 視界に入れれば目で追うことをやめられず、向こうが気付かないことが何よりも不愉快だとか、何様のつもりなのだ。


 こんなに気になるのは、全てこのすっきりとしない関係が悪いのだろう。
 そうそうに決着をつけて、離れてしまったほうが良い。
 それが何よりお互いのためだ。


 そう、確信しているのに、どこか後ろ髪を引かれる思いがすること自体を苦々しく思いつつ、ルルーシュはとうとう母に向かって口を開いた。



「母さん。話が、あります」


























 寝耳に水とはまさしくこの事だ。



 スザクはゆっくりと一度、二度、三度、瞬きをした。
 だがその後でも間の抜けた声しか出てこない。



「は?」
「は? ではありません」


 母の声も硬い。



「……え?」
「言い方を変えても現実は変わりませんよ」


 そんなつもりはなかったが、ちょっと衝撃が大きすぎて言葉にならない。



「あの、本当に?」
「嘘をついて母に何か良い事がありますか」


 たとえば、息子の間抜けな顔が見たかったとか――とは、空気的に言えない。
 母のピリピリとした雰囲気が真実であると雄弁に語る。



「なんで」
「それはこちらの台詞です」


 ピシャリと言い切る母も相当ショックを受けているらしい。
 もちろん当事者であるスザクの方が計り知れない絶望を感じていると主張するが。



「ですが、娘が婚約解消を申し入れてきたと相談があったのは事実。一体何をやらかしたのですか!? 我が子ながら情けない!」


 何をしたのか。
 それこそスザクが聞きたい。
 身に覚えがないにも程がある。
 まだ何もしていない。
 神に誓ってもいい。
 せいぜい、肩にかついだ際にルルーシュが力尽き干されるような格好になった時をふくめて、胸があたることがあったくらいだ。


 ……それともやはり性別を偽っていたことが許せなかったのだろうか――自分も同じくせに。
 だが、タイミング的にそれが一番可能性が高そうだ。

 男子の制服に戻ったとたんにこの仕打ちはさすがに予測していなかった。
 騙していて――故意ではないが黙っていたのは事実――ごめんねと言ったスザクに「怒ってない」と言ったではないか。
「どんな格好をしていてもスザクはスザクだろう?」
 とキレイに笑って。


 なのにここにきて婚約を解消したいだなんて。
 納得できない。

 むしろスザ子でいたときに申し入れられたというならわかる。
 あんな格好をしていてもルルーシュは女の子だ。


 まさか、とは思うが、ルルーシュは同性の方が好きな人なのだろうか。
 その可能性は考えていなかった。



 うわーそれは絶望的だなと思うが、まだ可能性の段階で確定ではない。
 絶望するには早すぎる。
 そうとも闘う前から白旗をあげてどうするのだ。



 スザクはキッと顔をあげた。



「婚約解消は、しません」



 どうしても、とスザクに直接話があったのなら、その意思を蹂躙するようなやり方は絶対にしないけれど、でもこんな一方的な通知、誰が認めてやるものか、と思う。
 誠意の欠片もないではないか。
 それが一度しか会っていないだとかいうのならわかるが、同じ学校に通い、生徒会メンバーで、買い物だって一緒に行ったし、祭では一緒にゴールしたではないか。


 知らぬ人とは言わせない。

 一緒に過ごした時間は何だ他のだろう。
 あると信じていた好意と信頼はスザクの独りよがりだったのか。



 なんだかひどく馬鹿にされた気分だ。


 そっちがそのつもりならこっちにだって考えがあるというもの。



「当然です。貴方が何をしたのか知りませんが、ひれ伏して謝ってでも引きとめなさい。本国に帰って父親に泣きつかれたら手の打ちようがありません」


 ひれ伏して謝らなければならないほどのことをした覚えはないが、ルルーシュがしろというなら、それで引きとめられるならいくらでもしてみせよう。

 ただし。
 スザクの意志をないがしろにしたルルーシュには、それ相応の手段をとらせてもらう。




「母さん、ついては一つお願いが」
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