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日々書き連ねた妄想をさらすとこ。
必ず初めに諸注意をお読み下さい(でないとわけがわからないと思われます)
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枢木スザ子の憂鬱(仮) 12

祭編ラスト。
いやーまさか3話も続いてしまうとはっ
自分でもびっくり。
確かに調子にのっていろいろ書いたけれども。
しかしいろんなところにとぎれとぎれで書いていたせいで、まとめるのに酷く苦労しましたorz
つじつまがorz あわないorz
間がorz 見つからないorz
順番がorz わからないorz




 放せとふりあげようとした足をうっとうしげにつかまれた。


「じっとして」


 耳元に吹き込まれた声に背筋がぞわっとする。
 何をする気だと警戒心をあらわにするが、口元を押さえられているせいで抗議は音にならない。
 ルルーシュの後ろを追いかけてきた集団が通り過ぎたことで、ようやく教室に押し込められたのだということに気がついた。


「静かに」


 何故こんなことをしているのかの細かな理由としてざっと52通り考えられるが、大きく分類わけすると2つだ。
 1つ。暴行。
 2つ。助けられた。

 敵か味方か。
 判断のつかないこの状況で、心臓がバクバクと音をたてている。
 何がしたいのかルルーシュを押しつけている男は微動だにしないが、ルルーシュが逃れようと足掻いても腕一つ自由にならない。
 いっきに恐怖が膨れ上がる。


 お坊っちゃんお嬢様学校と聞いていたからといって人格が保障されるわけではないということを失念していたなんて。
 ひどい失態だ。


 いや、だが誰がこんなことになるなんて思いつくだろうか。
 だって今はルルーシュは男で通っているのだ。
 ちょっと女装してみせたぐらいで襲いかかられてはたまらない。
 それともそういう趣向の人間だったとか。
 あるいはまさか、バレた………。


 しかし何をされるのだろう。
 強姦ならば壁におしつけるより床に引き倒した方が効率が良さそうだが。
 それにそれなら既に服ぐらいはぎ取られているはずだ。

 目的は何だ。
 さっぱりだ。


 せめて顔だけでもと思うが、口を押さえられ首を回せない状況でわかるのはせいぜい茶色の髪だということと、祭仕様の白い騎士服を身につけているということだけだ。




 いやまて。
 この天然パーマの茶髪は見覚えがないこともない。
 茶髪で天然パーマの馬鹿力。



 まさか。
 いやまさか。
 女性の力で押さえつけられて身動きが取れないだとか冗談ではない。
 だが…………。

 そういえば体力測定の握力はいくつだっただろうか。 




 ……………………。
 きちんと見ていなかったので忘れてしまった――と、いうことにしておく。
 ああなんだか彼女な気がしてきた。

 ならば目的はもしかして。



「そろそろ」


 団体様が通り過ぎれば口元を塞いでいた手が外された。
 確かめてみる価値はあるだろう。
 ゆっくりと息を吸い、威嚇するようにできるだけ低い声を出す。


「どけ」


 言ってみればすんなりと離れてくれたことにルルーシュはようやく安心した。



「枢木」


 しかも予想も大当たりときた。



「危なかったねルルーシュ」


 けろっとした口調から察するにひとかけらも悪いとは思っていないのだろう。
 人をこんなに驚かせておいて。


「危ないのはお前だ。何かと思った」
「でも捲けたよ」


 衣装にあわせているのか彼女の声は常より少し低い。


「それは確かに助かったが」


 きょとんと首をかしげる姿を見ていればなんだか文句を言うのも面倒になってきた。
 一応助かったのは事実なのだ。
 悪気がないのならば礼を言って終わってしまっても大した問題ではないだろう。
 どうせルルーシュがどんな苦言を呈したところでスザ子は変わるまい。


「もういい。確かに助かったよ、ありがとう」


 しかし改めて見るとなんというか、こういう格好をしているとスザ子ではないようだ。
 もちろんそれは自分も同じだろうが。


「ルルーシュは本物のお姫様みたいだね」
「どこがだ。ふざけた格好だ」
「よく似合ってるよ。すごく綺麗」


 直球の誉め言葉は少し照れくさい。
 だが男への言葉ではない。

「枢木もなかなか様になってるじゃないか」
「そうかな」


 はにかむ姿はあまり頼りになるとは思えないが。


「では、ゴールまであなたをお守り申し上げることをお許しいただけますでしょうか、姫君」


 そっとルルーシュの手を取り跪く。
 だが、許すと大仰しく頷くには力の抜けきったルルーシュの方が絵にならないではないか。
 だからただ頷くのははばかられ、ルルーシュは苦笑してみせた。



「お前、ジノはどうしたんだ?」
「ジノ?」

 ジノが何の関係があるのかと疑問符を浮かべた彼女に先ほどジノをみかけたことを告げる。



「ジノがスザ子って名前を叫びながら走ってたんだが。会ってないのか?」
「うわ、何その嫌がらせ」
「お前は騎士だしジノは姫だし。ペアを組まなかったのか?」
「組んでないよ。僕はルルーシュを探してたんだ」



 ふわりと笑って言われた言葉にどこか安心している自分を見つけて、自己嫌悪に襲われる。
 ジノよりもルルーシュを選んだことに喜んで。
 そのくせ卑怯にもそれを見せようとはせず。


「じゃあジノは」
「やけに気にするね。ジノならカレンと一緒じゃないかな」
「そう、か。じゃあカレンは騎士なのか?」


 さらに何故と問いかけるだけの熱意もなく。
 軽く自嘲と共に口唇をあげる。
 ごまかすようにカレンのことを聞けばスザ子は疑問符を浮かべた。


「あれ? 知らないのルルーシュ?」
「……何をだ?」
「え? あ、じゃあまあいいや。うんカレンは騎士だよ。強そうな黒の騎士」
「おいちょっとまて。変なところでとめるな。知らないってなんだ」


 ルルーシュは食い下がるが、大したことじゃないと言い切る彼女は教えてくれる気がならしい。
 


「いいじゃない。そんなことよりさ、とりあえずせっかくだから優勝目指そうよルルーシュ。大丈夫、できるよ」


 その自信はいったいどこから湧いてくるのか。
 傲慢なことだ。
 だが、嫌いじゃない。
 そんなスザ子を見ていたら、自然笑いが零れた。



「いいだろう。お前を私の騎士と認めよう」


 すくっと立ち上がったルルーシュに、跪いたままの騎士はその手を恭しくとり口付けた。

























 あまり乗り心地のよろしくないガタガタ揺られるそこで、ルルーシュは真っ青になり、早くも後悔していた。
 何をかといえばもちろんスザ子の手をとったことをだ。

 景色は逆方向に流れ、しかも激しく上下するものだから三半規管の弱い者であれば一発で酔ってしまうところだろうが、ルルーシュの顔から血の気が引いているのは決してそればかりではない。
 というか、むしろ悠長に酔っていられるような心の余裕などありはしない。



「スっ……!」
「舌噛むよ」

 噛んだ。
 そういうことはもっと早く言ってくれないか。
 言うのが遅すぎる。
 だいたい舌噛むようなこんな危険な乗り物、いやそもそも乗り物なんかじゃないではないか。人が乗るものじゃない。


「やっぱり降ろせ!」



 そう、ルルーシュはただ今スザ子に担がれていた。
 あくまで、担がれて、いた。
 肩に。

 最初は手をひかれ走っていたはずなのだが、ルルーシュが三回目に躓いた時、問答無用で抱えあげられた。
 イベントとはいえ手だけでも十分に恥ずかしかったというのに、こんなのは精神的拷問ではないかと暴れるルルーシュにスザ子は言った。


「こっちの方が速い」


 思いやりの欠片もない。
 というか。

「速くなくていいんじゃないか!? リタイアした方が楽じゃないか!?」


 何故わざわざゴールしなければならないのか。
 リタイアしたところで死ぬわけじゃない。

 リタイアすればどうなるか。
 簡潔に言えば、敵、あるいは障害物となる。
 つまり水鉄砲があたってしまった者、お目当ての人に振られてしまった者は、守る守られるの枠から外れ、攻撃する側に回るのだ。
 証拠にリヴァルを含めた数名が、今も数メートル後においかけてくる。
 中には姫役の者もまじっているが、何が厄介って守るもののない者ほど厄介なものはない。



「まてー」

 舞台メイクが追いかけてくる。
 なんて悪夢だ。

 それを除いても後ろから追いすがられれば普通に怖い。
 彼らは武器をもたないが、つかまってしまえば仲間入りの上、こちらからの攻撃が水鉄砲しかない以上撃退するにも難しい。


「お前らだけ幸せになんてさせるかー!」


 最悪だ。
 主に人間性が。


「枢木!」
「うん。大丈夫。つかまらないから」


 いやそんなことを訴えた覚えはない。


「そんなことよりルルーシュ。そろそろ枢木って呼ぶのやめない? スザクって呼んでよ」
「スザ……ク?」


 聞き間違えたかと思えば、彼女は軽い調子で頷いた。



「そう。そっちが正式名称。スザ子っていうのは、まあ、あだ名みたいなものだよ」



 みたいって何だと多少引っかかったがそれは疑問にする直前に吹っ飛んでいった。
 簡単に言えばそれどころでなくなった。



「ルルーシュ、ちょっと衝撃くるかもしれないけど大丈夫だからしっかり捕まっててね」
「は?」


 なんとも不穏な言葉と。



「お、おい。階段はあっちだぞ!?」


 ルルーシュの想定していた道に180度背を向けた不信な行動。
 嫌な予感に冷や汗まででてくる――化粧が崩れるなんて本気でどうでもいいが、そっちは突き当たりで。窓しかなくて。ここは3階だという事実は、力いっぱいどうでもよくない。



「うん。近道」


近道――名詞。
(1)(自サ変)他の道より距離が短く、目的地まで早く行ける道。また、その道を通っていくこと。
(2)てっとりばやく目的に達する方法。はやみち。



 この場合(1)ではありえない。
 何故ならそこに道はないからだ。



「ちょっと待ったスザ、スザク! それは俺は反対だ絶対に反対だ断固として反対だ。どうしてもというなら俺の屍をこえていけ」
「大丈夫大丈夫。一瞬一瞬。ほら、舌かむから歯食いしばってね」



 それは殴られる時の台詞だ。


 最悪だ。
 やってられない。



「おろせ! おろせこの」


 馬鹿力。
 はその名に恥じずルルーシュの抵抗などなんのその。
 人1人担いでいるとは思えない身軽さで、ひょいと窓枠に足をかけた。



 だめだ。
 もうだめだ。

 ここで死ぬんだ。



 だって3階なのだ高いのだ。
 打ち所が悪ければそれこそスザクの言うとおり一瞬であの世に行ける。
 よくても骨折はするはずだ――最低でもヒビ。

 何もないというのならもはやルルーシュと同じ人間とは認めない。

 いやわかった。
 そこまでいうならスザクが無傷だっていいだろう。

 だがこれだけは言える。
 ルルーシュは怪我をする。
 絶対だ。



「まてまてまてまて。迂回しても十分まにあぅあぁああぁぁああああ!!」



 着地。



「おま、おま、おまっ」
「ほら、ゴールが見えた」



 いい笑顔だ。
 最高に腹が立った。



 今ので確実に寿命が軽く十年は縮んだ。















「優勝はー」


 いつからレースになったのか知らないが、高らかな宣言に学校が湧いた。



「枢木ランペルージペア!」


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