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日々書き連ねた妄想をさらすとこ。
必ず初めに諸注意をお読み下さい(でないとわけがわからないと思われます)
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スザルル婚約話7
これはもう「スザク(一方的に)愛を語るシリーズ」とでも銘打っとけばいいんじゃないかという案がでました。
確かにそれ以外書いてない気がします=話が進んでない。。。。すいません。このノリであと2話(ブログでは実質6話ほど)続きます。
…………我ながらうっとうしい話だ。





「婚約話 2-3」





 姉が肩を怒らせて足取りも荒々しく部屋に向かう背中を見送って、ナナリーはそっとため息をついた。
 これは相当だ。
 少し離れていたし進行方向の反対側にいたし電気をつけていなかったから暗くて見えにくかったのかもしれないが、だからといって姉がナナリーの姿に、気配に気付かないなんて今までなかったのに。
 相当、頭に血が昇っているらしい。



 だがだからと言って責める気などナナリーにはこれっぽっちもなかった。
 むしろいい傾向だとまで思う。


 これほどまで姉の心を掻き回せた存在がいただろうか。
 あの冷静なルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを。



 答えは否、だ。




 七年前。
 母が死んでから、ルルーシュはその感情を抑えるようになっていた。
 正確に母が死んでからなのか、それともナナリーの意識が戻る前に何かあったのか、ナナリーにはわからないが、それでもルルーシュが変わったのは、必死に変わろうとしていたことだけは感じ取った。
 庇護を失ったルルーシュが、今度は守るために。


 たった十歳だったのに。
 今のナナリーが15だからそれより5年も幼かったというのに。
 生きていくためだったら、守るためだったら人はあそこまで強くなれるものなのか――力は示さなかった。おもねり、庇護を乞い、むしろ端からみれば弱者が足掻いているようにしか見えなかっただろう。
 けれどナナリーは知っている。
 ナナリーだけは理解している。
 ルルーシュが常に冷静だったこと。
 流されるのではなく事態を上から見つめていたこと。
 繊細な駆け引き。



 だれも評価しない。
 むしろ評価されたほうがルルーシュにとっては宜しくないのだろうが。
 ナナリーだけは知っている――確かめたことはないけれど、ミレイも。C.C.も。



 あれは紛れもない強さだ。 



 そうやって全てを押し殺してきたルルーシュが、ここにきて初めて心乱されている。
 あえて冷たく凍らせていたルルーシュの心が…………まだ、溶けないけれど。

 彼なら、と思うのは甘い期待なのだろうか。



 必要にかられてナナリーの姉は己を犠牲にする道を選んだ。
 自分のためだと言うけれど、本当に1人だったらもっと違う方法があったに違いない。
 だから、今があるのは、ルルーシュの選択で、ナナリーのせいだ。


 後悔も、必要以上に自分を責めることもしていない。
 それこそルルーシュを侮辱することだ。

 だけども願うのだ。


 ナナリーは今が幸せだから。
 これ以上辛い思いをしないでと。



 ルルーシュを守ってくれる人が欲しい。




 肉体的ではなく――あれもこれもと望んでも叶わない。本当は物理的にも守って欲しいけれど。だって姉は自分を省みないから。
 氷ってしまった心を溶かして。
 その柔らかい心がこれ以上傷つかないように。


 彼ならそれが出来るのではないか。
 淡い期待をこめてルルーシュが飛び出してきて、今は閉まってしまったドアを見つめる。

 彼なら出来るかもしれない。
 でも望んでいるのはナナリーだ。
 彼一人に放り投げて朗報をただ待っているわけにはいかない。



 ナナリーでは、ダメなのだ。
 守れない。
 痛みを紛らわせる麻薬にはなってやれるけど、それは毒なのだ。
 痛みを感じないといって、増やしていってしまう。

 背中を、守ってくれる人が欲しい。



 そのためならばどんな努力だって惜しまないだろう。
 それがたとえ、ルルーシュの意志に逆らうとしても。
 たとえ、踏みにじってしまうとしても。
 嫌われて、しまうとしても。


 だってルルーシュだって、勝手にナナリーを守るではないか。
 だからナナリーだって勝手にするのだ。



 嫌われる覚悟はもう決めた。





 お願いだから、傷つかないでこれ以上。
 血を流しながら笑わないで。

 怖いのは、失ってしまうことだけ。





 きゅっと拳を握った。

 少し移動すればシュッと軽い音をたてて簡単にドアがあいた。
 リビングのドアは誰も拒まないよう設定されてる。










 中にいたのは当然のごとく一人だ。

 ナナリーは目が見えないからその人が何をしているのか、どんな表情をしているのかわからない。
 ただ代わりに発達した残りの感覚を使って、彼のため息が途方に暮れていることを知るだけ。


 枢木スザクだ。
 姉の婚約者。
 押しつけられた婚約者――ルルーシュは受け入れない。




 でも彼は、無償の「好き」をくれた。



 ルルーシュにも。
 ナナリーにもだ。



「スザクさん」
「ナナリー」


 驚いたような響きはなかった。
 もしかしたら外にずっとナナリーがいたことを知っていたのかもしれない。



「ごめんね」
「何がですか?」
「ルルーシュ、怒らせちゃった」



 その調子があまりにも悪びれないものだったからナナリーも笑ってしまった。
 悪戯に成功した子供みたいな口調だ。



「まあ。ちゃんと謝ってくださいね? お姉様は怒るととっても怖いんですから」


 ナナリーもくすくす笑いながら言ってやった。


「許してくれるかな?」
「大丈夫ですわ」

 簡単に請け負った。
 根拠はない。
 希望のようなものだけ。


 ただ、ナナリーが彼の味方につくのならルルーシュは許すほかないだろう。
 姑息な手だが。



「お姉様は狭量な人間ではありませんから」

「うん。ルルーシュは優しいよね」


 どうしよう少し嘘かもしれないと思った言葉がむしろ彼によって肯定されたから驚いた。

 まだ出会って3日なのに。
 その間に受けた仕打ちに優しさが見えたというのならそれは嘘か変態ではないかとちょっと不安になる。
 叩かれたり蹴られたり罵声をあびせられたり…………。
 あげてみてもう一度思った。

 やっぱり変態のほうだろうか。


 複雑そうな表情をするナナリーを見てスザクが笑った。


「ルルーシュは優しいよ。目を見たらわかる。僕に対しては思いっきり警戒してるみたいだけど、毛を逆立てた子猫みたいで可愛いよね。ナナリーはルルーシュが大好きだろ?」

「はい」



 大きく頷いた。

 どうしよう。
 奇跡みたいだ。

 こんなにちょっとなのに、こんなにルルーシュを理解してくれる人がいるだなんて。
 とっても運がいい。
 だってそれが婚約者だというのだ。
 ルルーシュはロクに彼のことを知りもせず、知ろうともせずはねのけるけど、もったいないとナナリーは思った。



「だけど僕、動物には嫌われるタイプなんだよね」


 寂しそうに言われて、ナナリーはもう一度大きな声で大丈夫だと繰り返した。



「わたしは好かれるタイプです」


 ルルーシュはもっと好かれるタイプだ。
 一見人間には冷たい人間だと見られてしまいがちなのだけれど、動物にはちゃんとわかるのだとナナリーはそれを目の当たりにしるたび思う。
 でなければ猫が膝の上で微睡むわけがないのだ。
 
 それを考えるとスザクも動物なのかもしれない。
 猫……というよりは犬っぽい。

 ルルーシュは犬が好きだと公言しているので好都合だろう。


「ナナリー?」
「こつを教えてさしあげます」
「ほんとに?それは心強いな」



 残念ながらナナリーには子猫の手懐け方はわからないのだけれど、幸運なことにルルーシュのほだし方ならちょっとわかる。



「わたし思うんですけど、きっとスザクさんは構いすぎなんです」
「…………やっぱり?」

 自覚はあるらしい。



「猫さんは天の邪鬼ですから追いかけたら逃げてしまうんですよ」

 犬は逃げたら追いかけるので、ルルーシュはルルーシュでスザクのあしらい方が下手だ。



「でもね、こうなんていうか、餌おいておいで〜ってやってるとちょっと離れたところで行っていいのかなってぐるぐるしてるとこが可愛くてね、ついぎゅってしたくなるんだよね。わかる?」


 わからなくもない。
 だけど残念ながら姉と彼の関係はそこまですら行ってないのが現状だ。



「だめです。そんなことしたら猫さんが潰れちゃいます」

 さらに恐慌状態に陥って抱くどころじゃない。

「でもお姉様は遠くにいても近づいてきてくれませんから」
「難しいね」
「いいえ。だから警戒されずに近づく方法を考えるんです」


 近づいて、手をだしてはダメ。
 そこでぐっと我慢する。
 そうすれば興味を持って触りにくる…………かもしれない。



「近づいたら警戒されてそれだけで逃げられちゃうんだけどなあ」
「じゃあ、逃げられない状況を作りましょう」


 少し考えて言った。
 警戒されずに近づく方法は確かにナナリーにも難題だ。
 近づくもなにも遠目で確認するだけで警戒してしまうのだからそれこそ背後から近づくしかない――そんなことをすればまた警戒心を強めてしまう。


 だけど逃げられないようにするくらいだったらナナリーにもできる。



「任せて下さい。わたしが横にいたらお姉様は1人で逃げたりしませんから」
「協力してくれるの?」
「はい」



 でも。
 条件がある。




「もしスザクさんが、絶対にお姉様を諦めないってお約束してくださるのなら、わたしはスザクを応援します」
「ナナリー」
「わたしはこんなですから、お姉様の荷物になるばかりなんです」
「でもその荷物がないとルルーシュはきっと重りを失ってどこかへ飛んでいってしまうよ」



 本当に目がいい人だなと思う。



「荷物で殴るぐらいの人だったらよかったんですけど、お姉様は荷物を守ってしまわれるのです。だからスザクさん。お願いです。お姉様を」
「守るよ、約束する」


 大言をはいているようには感じなかった。
 ただ当然のことを今更確認するかのように。
 自信の出どころがいまいちわからなかったのだけれど、まあ今は、約束してくれるだけでいい。



「じゃあわたし達、共犯者ですね」



 日本では小指を絡めて約束するのだとスザクが教えてくれた。










「近づく方法なんですけど」
「なんか貢いでみようか。何がいいかな」
「そういうことはわたしよりミレイさんのほうがいい気がします」


 そうだ、彼女ならきっと素敵なアイデアをくれるに違いない。



「なのでスザクさん。ミレイさんと同盟を結んできてください」
「同盟?」
「そうです。みんなで逃げられないように囲っちゃいましょう」


 弾んだ声で言ったナナリーにスザクが感想を零した。





「ナナリーを敵にまわすのはやめたほうが良さそうだな」


「もちろんです」


 自信をもって頷いた。

| ギアス(アンケート) | 18:08 | comments(2) | trackbacks(0) |
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ナナリーがスザクの味方に…
これからどうなるか楽しみです!

…ところで、noveruページへはどこにあるんでしょうか?
教えて下さい??
| 開花 | 2008/07/30 4:11 AM |
開花さま

いらっしゃいませ。
これからどうなるか、といえば、目指せ王道!なんですが、自分のことながらいまいち自信がありません。


まあいいや、という理由にもなっていない理由というか管理人の性格によりこのブログからサイトのほうにリンクを貼っていなかったのですが、改めて貼りましたので、リンクの「§3§」からどうぞ。
ただ、どうやらブログは携帯でも見れるようになっているらしく、携帯で閲覧されている方もいらっしゃるようですが、サイトの方はデザイン上見れないんじゃないかと思っています。
いえ、確かめたわけじゃないんですけど。

基本はスザルル駄文サイトですがよろしければどうぞ足を運んでやってくださいませ。
| 一香 | 2008/07/31 1:57 AM |









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