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日々書き連ねた妄想をさらすとこ。
必ず初めに諸注意をお読み下さい(でないとわけがわからないと思われます)
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少女ロイドサンプル
こうですか!? わかりません
(アンケートの少女ロイドさんのサンプル(?)です)




「あ、あ、あ? ああぁぁぁぁぁああぁぁあぁあぁっ」



 もしも、ありえないと思う出来事にぶち当たったら、あなたならどうするだろうか。
 目を疑うだろうか。
 夢と疑うだろうか。
 頭を疑うだろうか。

 ロイドの場合、奴を疑った。
 まず最初に疑った――いや、もう決めつけた。

 だって他にないではないか。
 奴以外にこんな理解不能なことをする人間など。
 他には理不尽さで競える神くらいだか、神だってここまで暇人じゃないだろう。



 だから奴だ。
 奴に違いない。
 奴以外の何者でもない。
 奴以外にいてたまるものか。



 正直、泣いた。




 朝起きて、驚きすぎて叫んだら頭からベッドから落ちて痛くて泣いた。
 無意味にしなをつくってしくしく泣いてみた。
 鏡の中の自分が様になっていたことに涙が枯れた。












 ロイド・アスプルンドは科学者である。
 それは確かに自分で選んだ道であり、紛れもない天職だと自分でも思う。
 と、いうかロイドの興味は基本そこにしかないし、他の一切はどうでもいいのできっと何度生まれ変わろうともここにいきつくんじゃないかとまで思う。
 しかしながらいつの時代でも研究というものには金がかかる――不変の事実だ。過去政治家が名誉職であったように、研究者もまた金持ちの道楽であったという。


 時代は移り、現在はそこまで入り口が狭いわけではないが、やはり金はかかる。
 そりゃあ日がな一日ひたすら貝を眺めているような研究であればまた違うのかもしれないが、それにしたって金にならないことに人生を費やすわけだから自分の
 生活費をどこからもってくるかという問題が生まれる。
 それを考えればおそらくロイドは恵まれた身分なんだろう。
 少なくとも伯爵家の長男に生まれたという条件のみを見れば。生きていくだけなら特に困らない。


 しかし、だ。
 道楽に人生を費やすことを由緒正しいらしい伯爵家が認めるかといえば、まさかの一言で終わる。

 なかなか不便な身分だ。
 それでも最近はどうやら諦めモードに入りつつあるのだから今まで戦ってきたかいもある――ひたすら説教を右から左に受け流し自分の趣味に突っ走ってきただけだが。

 となれば残るは………、やはり金だ。
 確かに伯爵家なら金がないわけじゃない。
 分野さえ選べばある程度好き勝手できるはずだ。
 そう、問題は分野だった。

 ロイドが心奪われているのは人型戦闘兵器、ナイトメアフレーム。
 だってロボットは男の夢ではないか。
 初めてナイトメアを見た時の衝撃は忘れない。
 あの感動。

 鋼鉄ながら意志をもって動く巨体。
 敵をなぎ倒す力強さ。
 地面を滑るスピード。

 心が震え、目が離せなくなった。
 だが同時に納得していない自分を発見した。

 まだだ。
 まだこれは不完全。
 もっとだ。
 もっと強くなくては。
 もっと美しくなければ。
 もっとしなやかに、もっともっと輝くものを。
 そう、生命の輝きを――そう考えた時点で自分がどれだけ人間社会からはみだした異端児なのか理解した。


 でもどうでもよかった。
 そう、人間社会なんて人間なんてどうでもよかった。
 すでに心は奪われていた。
 僕は彼のためにあり、彼は僕のためにある――宗教に近い熱意で。
 なもので奇人というレッテルをはられたロイドに友達とよべる人間などいなかっ
 たが、友達とはそもそも対等な者同士がなるものであるので人を物と同列に考えていたロイドには関係ない。だってナイフは用いるものであって心を通わすものではないではないか。

 まあそれでも己が人間の形をしている限り人間社会に引きずり込まれるのは仕方ない。
 ひとりだけ、決して友人ではない、しかし物より高位の感情を抱く人間がいる。

 感情の名前は、嫌い。
 嫌いだ。
 何の因果か同じ年齢の、同性。
 彼も相当変わり者だ――このロイドをして言わしめるのだから素晴らしい。
 そして何より変わり者が好きという傍迷惑な男。

 本来ならば近づきたくもないような男だったが――だってなんとなく気持ち悪くて――1つ、何にも代え難い魅力があった。


 そう、金だ。結局この世は金なのだ。
 第二皇子シュナイゼル・エル・ブリタニア。
 皇族様だ。
 研究には金がかかる。
 ああ、なんと魅力的なのだろうか。
 是非とも国家の金を投資していただきたい。
 ので、変人好きのストライクど真ん中であるロイドはいろんなところと折り合いをつけながら――主に己の気持ちとか感情とか嗜好とか思いとか気分とかやっぱり気持ちとか本能とかと――それなりの付き合いを続けてきたのだが選択を誤っただろうか。


 ああでも確かにサクラダイトはそれなりに手にはいるし、優秀な部下を手配してくれるし、早く結果をだせとか言ってせっつかないわかった上司であるし、なにより予算を水増ししても笑って流してくれるせせこましくない人物である点においてはなくしがたい人ではあるけれどっ!
 ここまできて対価を要求するだなんてあんまりだ。騙された。






「そうはいってもねえロイド。私も慈善事業でやってるわけじゃないし」

 皇子様は顔芸がお上手でいらっしゃる。
 困ったような表情なんてしてみせているがロイドにはわかる。
 ロイドのことなんて虫けら程度にしか思っていないに違いない――偏見だが自信はある。

 でなければこんなひどいことできるわけがない。
 もはや人間のすることではない――棚上げは特技だ。

 鬼だ悪魔だ外道だ。まあ皇族なんてみんなそんなもんだが。


「君の研究、結果がでるのは大分先になるのだろう? 研究とはそんなものだからね、君を友人として応援する私も待つよ。しかしね、出資する身としてはそうも言ってられなくてねえ。まあそうだね。この間君が勝手に増やしていた予算分ということにしようか。少しばかり先払いをしてくれないだろうか」


 ぐっと詰まったが、とりあえずそんな殺生なと大袈裟に泣き崩れてみた。まったく表情は動かなかった。この人非人め。



「だからって、こんなことをする必要があるんですかあ!?」


 そのロイドの絶叫はペンドラゴン中に響き渡ったという。












 ロイド・アスプルンド、年齢はよくわかりません。10歳くらいなんじゃないでしょーかー。


「テンションが低いね」


 上がってたまるものか。

「低血圧なんで〜。身体、弱いんで。そのうち殿下に過労死させられる予定な〜んで」



 銀髪のかわゆい女の子でぇっす。



「なかなか似合っているよ。今度ドレスを送ろう」
「ろ、ろ、ろ、ロリコン!?」


 大好きなものはナイトメアフレーム。
 大嫌いなのは第二皇子。
 視力がわるいので眼鏡っ子です。

 昨日まで20歳の男でした。



 この調子でいくと明日には消えてるかもしれません。




「本題なんだが、君にはアリエス宮に行ってもらいたい」







ここで時間切れになりました。
正直本当にすいませんでしたosz 自分で書いて、ああ、違うなって思いました。うん、わかっているんです。
アンケートに追加された項目を見た瞬間は目を疑いましたが、ひさびさに具体的な項目だったのでついうれしくなってやってしまっ……。た、高い山って登りたくなるよね。
私山にはトラウマがあるので嫌いですがっ!
このあとのロイルル初顔合わせまで書きたかったな。
お兄様が何食わぬ顔で「お前の友達を紹介しよう」なんて言っちゃって、ルルーシュに冷たく「友達とは与えられるものではありません」とか言われちゃうシーンとか、なんだかんだいって結局仲良くなるシーンとか。
何で女の子にしたのかとかいうシュナロイの掛け合いのシーンとか。
しかしこの話おちが見えない。
| ギアス(その他) | 21:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
royal purple
アンケート「契約結婚」のサンプルです。
四文字ではわかりにくかった(というかただ私が書きたかっただけですが)ので、どんな話かだけ。
Wパロです。原作はあえて書きませんが、わかる人いらっしゃるでしょうか。いらっしゃったら是非ともご一報ください。え、いえ、何も出すことはできませんが。

結婚と書いてますとおり、ルルにょたです。






「royal purple」



 残り、およそ15分。
 己の時計が途中で止まっていたりしない限り、そのはずだ。


「見つかったか?」
「いや。だがこの近くにいるのは確かなんだ」
「早く探せ」


 聞こえてきた声に舌打ちして枢木スザクはまた走り出した。
 だいたい想像はつくと思うが、スザクは今、逃げていた。
 立ち向かうことはせず、ただ逃げていた。
 それは普段のスザクのやり方ではなかったが、今回に限り仕方がない。


 何故ならそれがルールだからだ。


 あまり考えることをせずに見つけた階段を上った。
 本来ならばさっさと外にでてしまいたいところだが、さっき上から確認したところ入り口には二人ほど人がいた。
 どうにかならない人数ではない。
 だがしかし面倒だ。

 残り時間が2時間だとかこのままビルの中を走り回っていても逃げ切れないことが確定しているのなら、何が何でも突破するが残り時間が15分をきったのだからそこまでする必要はないだろう。

 ことのおこりはおよそ半日前。
 そうだ、たった12時間前のことだ。
 どうにも体力ばかり使ってしまって、ずっとこの鬼ごっこを続けている気になってしまっていたが、そんなことはない。
 昨日の今頃、いや、今日の朝だってこんなことになるなどとは予想だにしていなかった。

 時間にしてざっと12時間前。
 わかりやすいことに時刻は丁度正午。
 スザクはこんな時間にも関わらず酒場にいた。
 とはいえ、こういう界隈――つまりは治安が最低なスラムだ――において、昼間の酒場というのはそう違和感溢れるものではない。
 まったく営業時間を問いたくなる。
 商業根性に恐れ入るというか、どこのコンビニだろう。

 いや、それを最大限利用させてもらっている身で文句などおこがましいことこの上ない。
 何より情報があつまるし、仕事を見つけるならば手っ取り早いのだ。
 とりあえず安っぽい水のようなそれに口をつけながらぼーっと時間をつぶさせてもらっているわけだが。
 もちろんそれはフリだ。
 だがそんなこと誰も気にしない。
 何も聞き逃さないように最新の注意を払って周りの雑音の音を拾っているが、今日はなかなか不作かもしれない。
 同時にいくつもの声を聞き分けるのはそう難しいことではないが結構疲れる。

 今日はもう帰って寝ようかなと別段お金に困っているわけでもないのでそんなことを考えた。
 「昼真っからそんなところに行って、もー」と可愛らしく怒ってくれる可愛い奥さんでもいればまた色々と違ったのだろうが、あいにくとスザクは女に困ったことはなかったが長続きしなかったのでそんな存在はいない。
 もっとも長続きしないのは当然だ。

 何故ならスザクは一箇所に長くとどまることがないからだ。
 仕事柄、と言ってしまえば聞こえはいいのだが、実際はなんとなくしっくりこなくてふらふらしているだけなのだから、自分でもわかっているがどうしようもない。
 おかげで定職につかずにのらりくらり生きているわけだが、この世界での生活も長くなってくれば居場所が少々かわろうとも意外と仕事はあるものだ。
 まあ最近名前だけ一人歩きしだしたので、それはどうしたものかと思う。

 とはいえスザクは仕事はえり好みするタイプだ。
 報酬ではない。
 趣味の問題だ――押し切られるようにやらされることもあるが。
 美学といえば鼻で笑われたが、気に入らない仕事をするぐらいだったら飢え死にしたほうがまだマシだ。
 よって舞い込んでくる仕事を笑顔で断って、自分で探すことだってよくある。
 そうやって無理やり首をつっこんで、強引に仕事をもぎとってくる。
 袖にした依頼人からは泣いてすがりつかれるわけだが、だから金の問題ではないのだと言っているのに何故わからないのだろうか。確かにスザクをスザクと知って話をもってくるやからの仕事は人生斜めにみたくなるほど金が詰まれるが、よって散財するわけでもなく生きていくには一回二回、あるいは半分以上断ったところで平気で生活できてしまう。自分たちで自分たちの首をしめているのだから笑えるというものだ。

 そもそもスザクは真っ当に生きようと思えばそれだけのスキルはもっていると自負している。
 なのにこんなところで明日もわからないような生活をしているのは何故か。
 自由に、生きたかったからだ。
 何にも縛られず、何にもとらわれず。
 ただ心のあるがままに。
 自分の信じるがままに。


 ただ。
 仕事がないと暇だなとは正直なところなので、何かないだろうかと足を運ぶ気になった。それがたまたま今日の昼だった。
 だがまさか、仕事が向こうから飛び込んでくるだなんて思っていなかったし、それがこんなことになるとは予想できるはずがないではないか。




 やっぱり今日は帰って寝ようかな。
 夜またきてみれば、また違った話があるかもしれない――言い訳だ。優秀な鼻は大してかわりないだろうと言っていた。いや、先のことなどわからないけれども。

 そう思った矢先だった。

 その場にひどく似合わない女が、店のドアをあけた。


 おや、と思った。
 もちろん女だからという単純な理由ではない。ここには女だって珍しいわけじゃない。そりゃあ圧倒的に男のほうが多いが。

 格好が問題だ。
 スーツ。
 何かの冗談だろうかと最初に思った。
 しかも一目でわかる。高級品。

 よく手入れされた流れる黒髪。
 一目を引く冷たい美貌。
 切れるようなロイヤルパープルの眼差しは、くだらない男たちを馬鹿にする。
 そのくせ随分と上品な物腰で。
 こんなところに似合うわけがない。
 スーツを着ている女がいないとは言わない――ほとんど見ないが。
 だがこんないかにも「真っ当な人間」がくるところではないのだ、ここは。

 よくぞここまで無事にこれたものだとそこから感心した。
 しかもまだ若い。
 二十歳になるかならないか。

 忠告すべきか迷ったのは、彼女の顔が好みだったからだ。
 こんなところにくれば、何故この時点でたいした怪我もおわず屈辱も受けていないのかはおいておくとして、目も当てられない事態になるのは時間の問題。
 ここでの行動は子供だろうが年寄りだろうが自己責任だ。
 だから本来忠告だなんて出すぎた行為、しただけでも血が流れることすらある。
 それでもあの顔に泥がつくのは嫌だなと思った。


 それだけだ。

 それ以上ではなかった。



 興味をもたなかっただなんて口が裂けてもいえない。
 でも。
 積極的に関わりたいと思ったわけではなかったのだ。

 だというのに、しばらく視線をさまよわせた彼女はスザクを真っ直ぐに見た。
 見つけたと、遠くて声はきこえなかったけれど、唇が動くのをスザクははっきりと見ていた。
 それが魅惑的に弧を描くのも。


 真っ直ぐにスザクだけを見て。
 他の者には目もくれず。
 優越感を覚えた。
 が、こんなことをされれば嫌でもわかる。

 客か。
 男を値踏みするような目ではなかった。そちらだったら歓迎したというのに。
 スザクのストライクには歳が若干足りないが、こんな美人めったにいない。機会があるなら逃したくないと思って何が悪い。

 ただひたすら意思を持って。
 スザクの前に仁王立ちになった彼女は言った。



「お前と」


 彼女はスザクの名前さえ確かめなかった。
 どうやら絶対の確信をもっているらしい。


「取引がしたい」


 ほら、仕事だ。




 明らかに年下の彼女は、随分と偉そうだった。
 もしかしたら本当のお嬢様かもしれない。
 可能性は高い。
 何せつけているもの一つ一つが値が張るものばかりだ。
 華美な装飾は好まないのか、アクセサリーとよべるものをつけてはいなかったが、靴からシャツ、時計に、バッグはどこぞの女があこがれの視線で見ていたものだ。ほいと買ってやるほど愛情をもっていなかったので、確かめなかったが、原材料の100倍じゃたりないのは確かだと思われる。
 本当によくここまで五体満足でこられたものだ。

 更に言えば、こんなに無粋な視線にさらされて、しかも欲望にギトついた視線は彼女の服を脱がすだか破くだかしているというのに、よくぞこうも平然としていられるものだと一種の感動さえ覚えた。
 もしかして記録的に鈍いのだろうか。
 それとも本当に取るに足らないものとしか映っていないのだろうか。


「場所をかえよう」


 取引にうなずいたつもりはない。
 ただ彼女と一緒になって目立つのはとても居心地が悪かったから、提案としてそう告げた。
 色好い返事と思わなかったのかもしれない――何せ、スザクは子供に話しかける口調で柔らかく言ったのだから。もともと穏やかに話す癖のついているスザクが子供用の口調をつかえば馬鹿にされているととられてもおかしくはない。まあ、そんなに違っているわけでもないのだが。
 不愉快げに紫が細められて、少し感動した。
 いい眼をしている。
 眼差しだけで人が殺せそうだ。
 いや、彼女の視線は人を跪かせるものか。支配者のそれに正直驚いた。背筋を走った電流のようなものは、スザクの直感だが、お姫様と呼ぼうと思ったが、女王様のほうがいいかもしれない。



「私はお前と対等な立場で取引がしたいんだ」


 年上に向かって上から目線でよく言う。



「だが、ここでは落ち着かないのも事実。部屋を用意しよう」


 告げられたホテル名は最高ランクのもの。
 それだけでも警戒に値するが、驚きはしなかった。
 とりあえずの問題はそういうことではなく。


「遠い」


 利便性の問題だ。

 さあ、今度はこちらの番だ。
 取引だと彼女は言った。
 誰からスザクの名前を聞いたのかはわからないが、最初からスザクだけが目当てで。


「近くに僕がとってるホテルがあるけど」


 もちろん警戒されることを前提とした話だ。
 どこの若い女が初対面の男の部屋にのこのこと行くのか。
 彼女が特殊な訓練をうけているとかなら別だが、見たところそういうわけでもなさそうだし、腕をひっぱっただけで簡単にスザクの手の内に転がり込んできてしまいそうな細い身体だ。

 だが、スザクの予想に反して彼女は一瞬たりとも躊躇しなかった。


「ならそこでいい」


 警戒心というものを知らないのか。
 あるいは自信の基となる何かがあるのか。
 まさかスザクを信頼しているとは言うまい。
 どんな話を聞いてスザクを探してきたのかは知らないが、噂は決していいものばかりではないのだから。
 よく言えば豪胆。
 否、よく言っても世間知らず、かもしれない。
 一般的な評価にすればただの馬鹿だ。
 スザクを欲しがる女でないことは明らかで、どうなってもいいという自暴自棄な光もなかったので、やはり考えなしか。無意味な自信でもあるか。


 とはいえうなずいたのは彼女のほうだ。
 特に女に不自由しているわけでもなし手を出す気はなかったが。もちろんこんな上等な類はめったにお眼にかかることはないだろうし、もったいないとと思わないこともなかったので、あわよくばという考えがまったくなかったとまではさすがに言えないけれども。
 軽く笑った――笑ってしまった――スザクは、もう一つ、試すことにした。
 彼女の正気と、覚悟をだ――このときは本気でそう思っていた。それが間違いだったことを、彼女にしてみれば今更のことであり、覚悟を決めなければならなかったのはむしろスザクのほうだったというのに。


「じゃあそうだな、一時間後に来てくれるかな。話はそれから、ね。ただのるかどうかはそれから決めるから早とちりはしないように。部屋は」


 一時間と時間をおいた。
 部屋が汚いから片付けるなどといった理由でないことは察してもらいたい。
 本気かと、聞いたのだ。
 あるいは勢いだけでこないように。
 ちゃんと考えてこれるように。
 スザクに取引をもちかけるというのがどういった意味をもつのか、男の部屋に来る気があるのか。


「いいだろう」


 用は済んだ。
 そういわんばかりに彼女はきびすを返した。
 そして来たときと同じように颯爽と去っていった。
 一体どこに向かっているのだか。



「よう色男。あれは誰だ?」

 横の顔も知らない男がにやにやと話かけてくるのが、うっとうしかったけれどもスザクは愛想よく首をかしげた。


「さあ」













 何階建てだったか。
 思っていた以上に終わりが見えない。
 途中ででてしまってもいいのだが、先ほど階段からでようとしたところで、また人と鉢合わせそうになった。
 その割に階段には人がいないのだから、もういっそ一番上まで上ってしまおうと思ったのだ。
 上るだけでも時間がつぶれるに違いない。
 どうせあともう10分。
 秒数にしてしまえば600秒。
 600秒数えてしまえば全てが終わるのだ。
 底なしと評判の体力はこれだけ走り回っても、まだ余裕があった。
 普段のトレーニングの成果だろう。少し小気味いい。
 これはもうスザクの勝ちが決まったようなものだが、どうせだったら最後まで全力をつくしてやってもいい。それぐらいの敬意はあの女王様に示してやるべきだ。
 スザクの部屋に一人でやってきた女王様に。




 時間通りに現れたのは予想通りだ。
 しばらく過ごすのだからとスザクの部屋は豪華とは言えないものの、寝るだけの部屋よりはすごしやすくなっている。

 ソファに導いて、茶でも出してやろうかと思ったのに、そっけなく断られた。
 どうやらさっさと本題に入りたいらしい。
 そんなに焦らずとも聞いてやるだけは聞いてやるといっているのに。



 前置きもなく、差し出されたのは二枚の紙。
 もちろん白紙ではない。



「これにサインをして欲しい。報酬は、そちらの希望をかなりの部分で都合つけられるだろう」


 要求は、シンプルだった。
 さらに気前のよさも示してくれる。
 だからといって小躍りするようなことなどあるわけがない。
 こういった類の依頼は、厄介事が多いのだ。
 変なことに巻き込まれてはたまらない。
 どんな面倒なことだと、二枚のそれを覗き込んで、スザクは、絶句した。














 最上階だ。
 何階かは定かではないが、久しぶりに階段トレーニングをした。
 せっかく最上階まできたのだ。
 余計なことはすまい、と特に警戒もせずに――今までの手合いを見る限り、警戒などせずともどうにかなるような奴らばかりだ――廊下にでれば、ドアは一つしかなかった。
 どうやらこのフロアに部屋は一つだけのようだ。


 が、丁度そのドアにたどり着こうかというところで、正面のエレベーターのドアが開いた。
 ああ、残念だ。
 三人もいる。
 あれをよけて向こう側にいくのは狭くて面倒だ。
 かといって階段まで戻るのは、せっかくここまで上ったのに、損した気がするではないか。
 もちろんそんなことはしない。
 丁度横に隠れる場所があるのに、そんなことするものか。
 軽い足取りで、部屋に入り、さっさと電子ロックをかけた。
 これで時間まで篭城すればそれで終了だ。

 それは、ルール。

 奴らはこのドアを壊すような武器を携帯してはいない。いや、持っていることは持っているが、使ってこない。

 なかなか有意義だった。身体を動かすということで。
 やはり単純なトレーニングをするよりは、何かしらゲーム的な要素があるというのは新鮮でいい。
 




 ゲーム。
 ルール。


 取引内容に1も2もなく首をふったスザクに彼女が持ち出してきたのは不似合いなそんな単語だった。



 曰く、それは困る。
 どんな手をつかってでもお前が欲しい。

 欲しい、といわれた。
 なかなかいい言葉だ。
 それが美人に言われたとなればなおさらだ。
 だが別にスザクにとって珍しい言葉ではなかった。
 スザクの腕を欲しがっているものはこの世に五万といる。
 お断りだとすげなく断っても、彼女は笑いとばすだけだった。
 この自信は一体なんだ。
 もういっそここまでくると薄気味悪くなってくる。



「仕方がないな。そうなるとどうしても多少強引な手を使わざるを得なくなる。私はどうしてもお前が欲しいんだよ、枢木スザク。お前が、いいんだ」


 残念ながらそこに熱はなかった。


「多少ってどの程度かな」
「そうだな、地の果てまでおいかけてやる程度かな」
「怖いな」


 二人とも感情がなかった。
 けれども話だけは進んでいった。



「お前に頷いてもらわないと困るんだ」
「それはそっちの都合だろう?」
「もちろんだ。だがどうせなら納得してやってもらいたい、とも思ってる」


 何の冗談だろう。
 本気の色が全く見えない。
 いや、何がどうなろうと首を縦に振らせようという意思は見える。
 が、納得して云々なんて絶対に嘘だ。

 スザクは深々とため息をついた。
 この絶対に甘やかされて育ったに違いないお嬢様は、自分の頼みを今まで断られたことなどないに違いない。
 少しは人生の厳しさを教えてやってもいいだろうか。


 実力行使にでてやろうかと不穏なことを考えはじめたスザクの心のうちを知ってか知らずか、スザクにとっては目が丸くなるような提案を、彼女はしてきたのだ。



「だからだ、一つ勝負をしないか」
「……………何で」

 ああめんどくさい。
 隠さずに言った。


「お前が勝ったら、諦めよう」
「で、君が勝ったらこれにサインしろと?」
「ああ」
「それって僕に特に利益がないよね」

 欲しいのかといわれて考え込む姿に若干脱力した。


「いいだろう。取引には関係なく、この勝負にお前が勝ったら……」












 あの女王様は悪魔か。
 提示された条件のあまりの上等さに思わず首をふってしまったではないか。
 それも縦に。




 だがこれで、終わりだ。
 と、ドアによりかかったスザクの耳元で、カチリと音がした。






「いらっしゃい、枢木スザク」


 驚いた。
 嘘偽りなく、驚いた。










 勝負をしよう。
 何、簡単なゲームだ。
 隠れ鬼。
 知ってるかな。
 君が逃げる。
 私がおいかける。
 それだけ。


 どう考えてもスザクが有利なゲームだ。
 制限時間は今日が、終わるまで。
 つまり0時だ。
 その時点で13時だった。


 開始は14時でいいか。
 それまでは好きに逃げてかまわない。
 私はここにいるから。
 14時になったら私は動く。




 確かに彼女は1:1とは言わなかったし、彼女一人でおいかけてきては100年たとうがつかまりそうになかったから、人を動員してきたのは想定どおりであったし、別にかまわなかった。
 武器の使用は禁止だと最初に言われていたし、それならばつかまる理由などないではないか。
 人質でもとられたら別だが、スザクの人質になるような人間などいないのだし。












 軽く両手を挙げたスザクにルルーシュが笑った。
 そんなに何度も見たわけではないが、今までで一番、綺麗な笑顔だった。
 本当に心底、うれしそうな。

 銃を至近距離に近づけられてスザクは笑えない。
 それは引き金云々の話ではない。
 スザクならば彼女が引き金を引く前に取り押さえることができる。自信ではなくそれは事実であった。
 彼女とてそれはわかっているのだろう。

 だからここで問題なのは、スザクが彼女に踊らされたということだ。



「いつからここに?」
「ゲームがはじまってからずっとだよ。私はここで指示をだしていただけだ。自分から私のもとに飛び込んでくれるだなんてうれしいよ」



 ここで、本当は逃げ出すこともできなくはなかった。
 けれどもこれは、スザクが納得して受けたゲームだ。
 まだつかまっていないという言い訳はきかないだろう。

 仕方がないかと納得ではなく諦めから首をふったスザクにルルーシュがすっと銃を降ろした。
 商談成立。
 よろこばしいことだろう。


 なのに、彼女はスザクに書類を渡すのではなく、その白い手差し伸べてきたのだ。


「あと3分だ。私はまだお前を捕まえてない。だからここでもう一度お願いしたい。私に協力してくれないか」


 これは、卑怯だ。
 この手をとらなければ、逃げしてくれると、ここに来て言うだなんて。
 もういっそ馬鹿にされているに等しい。
 スザクが受けた勝負だ。
 ここで、逃げられるといって、逃げるような男と見られるのは業腹だ。
 確かに彼女が捕まえにきても、その手を交わすことはできるけれども。

 おいつくことさえできないと思っていた彼女が、同じ部屋にいる。
 しかも、手を伸ばせば届く距離だ。

 ならば勝負など、決まったようなものではないか。
 スザクにとってこれはつかまるに等しいことだ。

 けれども必要な儀式なのだろう。






 そっとその頼りない手を壊さないように握った。





 こうやって契約は結ばれた。







「ありがとう。ではこれから一年よろしく頼む」



 スザク・ヴィ・ブリタニア。













以上。スザクお婿に行く。でした。
| ギアス(その他) | 23:57 | comments(2) | trackbacks(0) |
腐女っ子 その1
奇しくもアンケート投票に落選してしまった腐女っ子ルルーシュ。
そんなに魅力がないだろうかと腐女っ子談義でもりあがること以下略
そうか。残念だ。
ならば私は啓蒙活動に励もうではないか!!
という結論にたどり着いたところでアンケートの意味がないことにはあえて気づかない。



ということで腐女っ子ルルーシュお試し版。

意外といけるんじゃね?と思ったら拍手か何かで腐女っ子!!と叫んでいただければ……いや何もでないけれど。
ラウンズ設定か学園設定かどちらかで長編化してもいいかなとは思ってます(だからアンケートの存在意義はorz)



……………会話のみのお試し版すぎるためあまり雰囲気が伝わらなかったら申し訳ないです。







「アーニャ、やっぱりジノスザだよな」
「そう? 私はスザジノ」
「ジノを苛めてもいまいち萌えないんだが」
「一途に思ってるのに歯牙にもかけられないのがいい」
「…………ああ。やばい、なんかいいかもとか思ってしまった。ああだけど、無理やりやって射殺されそうな目で睨みつけるスザクが理想的なんだよ。やっぱりなんていうか高いプライドをへし折ってふみつけてやるのが快感っていうか」
「それはわかる」
「だろ!? だからいまいちロイスザもスザロイも食指が動かなかったんだが。ほら、ロイドはランスロット一筋だし」
「こないだ吸血鬼スザロイを読んだ」
「そうそれ! 俺もあれよんでなくないなって思ってしまったんだどうしよう。最近どんどん見境がなくなってきてる気がする」
「問題はないと思う」
「だよな〜」
「ランスロット×ロイド伯爵もいいと思う」
「無機物かあ。擬人化?」
「死んだ恋人の魂封じ込めてるの」
「なるほど」
「あと最近ハマってるのが」
「皇帝×スザク。やっちゃいけないジャンルだってわかってるんだ。だけどダメっていわれるとなんていうか」
「燃える」
「そうなんだ」
「私は皇帝総受け」



「ちょっとそこもうそろそろやめてくれない!?」
「吐き気が」
「想像しちゃだめだってジノ」
「ランスロット×僕かあちょっといいかも?」
「ロイドさん!? 何言ってるんですか。その思考回路は危険です戻ってきてください」
「人生柔軟に生きた方がいいよスザクくんも」












「ねえルルーシュ」
「何かなスザク。私は今忙しいんだが。言いたいことがあるなら早く言え。あと2分42秒ではじまってしまうんだ」
「……それ録画してるんだよね」
「バカかお前は!! わかってない! わかってないぞ!! リアルタイムで見て、録画で見て、ネットで見て、再放送で見る。これくらいの覚悟がない奴なんか見るんじゃない」
「いや僕興味ないんだけど。っていうか君はそのアニメと僕とどっちが大事なの?」
「あ、はじまった。黙れスザク」










「今思いついたんだが。ジノスザ、スザク襲い受け、青姦なんかどうだろう」
「なんで外?」
「なんか……、天気がよかったから?」
「私は体育館倉庫とかのほうがいいなあ」
「あ、待て。理科実験室で試験管プレイも捨てがたい」


「ルルーシュ。僕は君の恋人じゃなかったかな!?」
「バカだなスザク。二次元と三次元は別物だよ」
「僕三次元だからね!?」
| ギアス(その他) | 23:05 | comments(2) | trackbacks(0) |
ギアス小話1
CP:スザルル
ジャンル:ほの暗電波



 目覚めた時、彼はそこにいた。

 彼はスザクと名乗った。

 スザクと小さな声にのせるとスザクは優しい顔で頭をなでた。



 俺は、と。
 自分も名乗ろうとして気がついた。

 自分の名前を知らないことに。



 わからないのでもなく、思い出せないのでもなく。
 そんなものは最初から存在しなかったかのように。
 知らなかった。


 だから「ない」と簡潔に告げた。
 ん? と首を傾げたスザクにもう一度繰り返す。


 そしたらスザクは破顔して、彼を抱きしめた。
 君は今生まれたんだよと囁く。
 そうなのかと納得する。







 だから僕が名前をあげる。








 ルルーシュ。









「ルルーシュ。ルルーシュ。ルルー、シュ」

 不思議な感じだ。
 もらったばかりの名前がひどくしっくりくる。
 スザクがくれたからかなと思う。







 スザクは優しい。
 生まれたばかりのルルーシュに、何もしらないルルーシュにすべてを与えてくれる。



 ルルーシュはスザクが大好きだ。
 スザクのことを考えるとふんわりした気持ちになる。


 とは言ってもルルーシュはスザクしか知らないのだけれど。

 だってルルーシュはこの部屋から外に行ったことがなかったし、この部屋にスザク以外の人間が訪ねてくることもなかった。
 けれどそれで十分だと思っている。



 籠の中の鳥は外を恋いこがれたりしない。
 知らないものをどうして求められるだろう。
 ここでの暮らしに不満などなく。
 ルルーシュがいて、スザクがいて。
 それで十分ではないか。








 大好きだと笑いかけてくれる「それ」をスザクは抱き締めた。
 サヨナラと呟いて。
 細い首に手を…………あてた。













 親友が横でくつくつと笑う。



「だからお前に子育ては無理だと言ったんだ」



 心底楽しそうな声にむっとする時期はすぎた。


「何体目だ?」
「………………4人」

「そろそろ諦めるべきだな。お前もしつこい」
「君が、消えてくれたら最後に出来るんだ」
「責任転嫁か馬鹿だなスザク。お前が満たされないのは、あの俺がお前を愛するからさ。許されたくないんだ。お前は許されない自分を愛してる。だから」
「うるさい」

「許せと叫ぶのが好きなんだ」

「だまれ」


「許されたら次を考えなくちゃならなくなるもんな」
「だまれ、だまれだまれだまれだまれっ」



「だったら何故お前は俺を殺さないんだ?」



 妖艶な顔で、彼が笑った。
 スザクはその唇にかじりつく。
 ただ黙らせるために。

| ギアス(その他) | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
スザルル×gunslinger girl
この話は相田裕原作GUNSLINGER GIRLとのダブルパロです。
苦手な方ご注意ください。

簡単なキャラ設定としまして、
スザク;紆余曲折あって(面倒で考えてませんorz)義体の身体となった少女(爆笑)
ルルーシュ:スザクのフラテッロ(パートナー)
ポイントはルルーシュ命の少女スザク×大人ルルーシュ(歳の差)という笑える設定です。
読んだ瞬間スザルル変換した私を誰か詰ってください。

まあ原作を知っている人ならばこれだけでだいたいわかると思います。…………主に私が何をしたかったかが。

知らない人は何がなんだかさっぱりわからないと思いますので、以下に公式サイトより概要を載せておきます。
なぜなら私は説明が下手だからです。
興味をもたれた方は是非原作をどうぞ。

公益法人”社会福祉公社”―――障害者支援のための首相府主催事業を表向きとするこの組織の実態は、瀕死の少女たちに機械の体を与え「条件付け」を施し、その少女たちを使って政府に敵対する勢力を秘密裏に排除する諜報機関であった。
生きることと引き換えに「義体」となった少女たち。それぞれに一人ずつ担当官がつき、いつも行動を共にしていることから、兄妹(フラテッロ)と呼ばれている。
「条件付け」により生身の頃の記憶が封印された少女たちにとっては、担当官の命令に従い、銃を持ち戦うことが何よりも幸せなのだった。

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| ギアス(その他) | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) |